5月から始めたい熱中症対策|汗をかく習慣が、夏の体を守る準備になる

5月になると、朝晩はまだ涼しく感じる日がある一方で、日中は急に気温が上がる日もあります。

この時期に大切なのは、「真夏になってから熱中症対策を始める」のではなく、「暑くなる前から、少しずつ体を暑さに慣らしておくこと」です。

この“暑さに体を慣らすこと”を、専門的には「暑熱順化(しょねつじゅんか)」といいます。気象庁は、体が暑さに慣れるには数日から2週間程度の時間が必要とされること、ウォーキングなどで意識的に汗をかく機会を増やすことが、暑さに負けない体づくりの準備になると示しています。¹

5月から「少し汗をかく習慣」をつくることは、夏を安全に過ごすための大切な準備といえそうです。

5月から熱中症対策が必要な理由

熱中症は、真夏だけに起こるものではありません。

日本気象協会は、5月でも最高気温が25℃以上の夏日や、30℃以上の真夏日になることがあり、体がまだ暑さに慣れていない時期は、屋外でも室内でも熱中症に注意が必要だと説明しています。²

つまり、5月は「まだ大丈夫」と思いやすい一方で、体の準備が追いついていない時期でもあります。

特に、普段あまり汗をかかない方、運動習慣が少ない方、高齢の方、屋外で活動する方は、急に暑くなった日に体温調節がうまくいかない可能性があります。

そのため、5月から少しずつ汗をかくことは、夏本番に向けた体の準備として大切です。

暑熱順化とは何か

暑熱順化とは、体が暑さに慣れていく反応のことです。

人は体を動かすと体内で熱がつくられ、体温が上がります。その体温を下げるために、汗をかいたり、皮膚の血流を増やしたりして、体の外へ熱を逃がします。日本気象協会は、暑熱順化が進むと、発汗量や皮膚血流量が増え、体から熱を逃がしやすくなると説明しています。²

会員様で、自転車エルゴメーターで耳たぶで脈を検知できない方がいらっしゃいます。そういった方は暑熱順化が十分にできない可能性があります。

一方で、暑さに慣れていない時期は、汗をかく反応や熱を逃がす反応が十分に働きにくい可能性があります。

だからこそ、5月から「少し汗ばむ程度」の運動や入浴を取り入れ、体を暑さに慣らしていくことが重要になります。

ただし、暑熱順化は「無理をして汗をかくこと」ではありません。体調、その日の気温、室内環境に合わせて、無理のない範囲で行うことが前提です。²

日常生活でできる暑熱順化

暑熱順化は、特別なトレーニングをしなくても、日常生活の中で始めることができます。

日本気象協会は、暑熱順化に有効な対策として、ウォーキング・ジョギング、サイクリング、筋トレ・ストレッチ、入浴などを紹介しています。²

目安としては、ウォーキングなら1回30分、ジョギングなら1回15分で週5日程度、サイクリングなら1回30分で週3回程度、室内での筋トレやストレッチなら1回30分で週5回から毎日程度とされています。²

また、シャワーだけで済ませず、湯船につかる入浴も、暑熱順化につながる方法の一つとして紹介されています。入浴の目安は2日に1回程度です。²

大切なのは、強い運動をいきなり始めることではありません。

「少し汗ばむ」「息が上がりすぎない」「終わった後に心地よい疲労感がある」程度から始めることが、安全に続けやすい方法だと思います。

ONE STEPでできる夏に向けた体づくり

ONE STEPでは、トレッドミルでのウォーキング、軽い筋力トレーニング、ストレッチ、ピラティスなどを通して、無理なく汗をかく習慣をつくることができます。

屋外で急に暑さにさらされるよりも、室内環境を整えながら運動できるため、体調に合わせて取り組みやすい点があります。

特に、運動に慣れていない方は、最初から長時間頑張る必要はありません。

まずは10分から20分程度のウォーキングや、軽めの筋力トレーニングから始めてもよいと思います。少しずつ汗をかく機会を増やすことで、夏本番に向けた体の準備につながるかもしれません。

熱中症対策は、水分補給だけでなく、「体を暑さに慣らしておくこと」も大切です。

5月からの小さな積み重ねが、夏の体を守る大きな準備になります。

暑さ指数(WBGT)を確認することも大切

熱中症対策では、気温だけを見るのではなく、「暑さ指数(WBGT)」を確認することも大切です。

環境省によると、暑さ指数(WBGT)は、熱中症を予防することを目的として提案された指標で、湿度、日射・輻射など周辺の熱環境、気温の3つを取り入れた指標です。³

環境省は、WBGTが28を超えると熱中症患者が著しく増加する様子が分かると示しています。³

また、運動に関する指針では、WBGTが28以上31未満では「激しい運動は中止」、31以上では「運動は原則中止」とされています。³

つまり、暑さに慣れることは大切ですが、危険な暑さの中で無理に運動することは避ける必要があります。

「暑熱順化」と「暑い中で我慢すること」は、まったく違います。

体調が悪い日、睡眠不足の日、食事や水分が十分にとれていない日は、無理に運動量を増やさないことが大切です。

熱中症が疑われるサイン

熱中症が疑われる症状として、厚生労働省は、めまい、大量の発汗、立ちくらみ、筋肉痛、生あくび、筋肉のこむら返りなどを挙げています。⁴

このような症状がある場合は、まず涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめ、首の周り・脇の下・足の付け根などを冷やすことが大切です。⁴

また、経口補水液などで水分補給を行うことも示されています。ただし、自力で水が飲めない場合や意識がない場合は、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。⁴

腎臓や心臓などの疾患があり、水分摂取について医師から指示を受けている方は、その指示に従うことも大切です。⁴

まとめ|5月からの小さな一歩が、夏の体を守る

熱中症対策は、真夏になってから慌てて始めるものではありません。

5月から少しずつ汗をかく習慣をつくり、体を暑さに慣らしておくことが大切です。

ウォーキング、軽い筋トレ、ストレッチ、ピラティス、入浴など、できることから始めるだけでも、夏に向けた準備になります。

ただし、暑熱順化は「無理をして汗をかくこと」ではありません。

体調を見ながら、水分・塩分補給、休憩、室温管理を行い、安全に取り組むことが前提です。

今年の夏を元気に過ごすために、5月からできる小さな一歩を積み重ねていきましょう。

参考文献・参考資料

  1. 気象庁. 2週間気温予報及び早期天候情報における熱中症注意の呼びかけについて. Accessed 2026-05-19.
  2. 日本気象協会推進「熱中症ゼロへ」. 暑熱順化. Accessed 2026-05-19.
  3. 環境省. 暑さ指数(WBGT)について. Accessed 2026-05-19.
  4. 厚生労働省. 熱中症が疑われる人を見かけたら 応急処置. Accessed 2026-05-19.
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